飢餓海峡

180分の必然性は理解、というか体得できた。が、あのラストはないだろう。明らかに警察のお粗末。藤田進の首が飛んだな。
 
伴淳のなまりが達者だとおもったら、それもそのはず山形出身なのだった。喜劇役者が笑いのない役を演じる、このあたりがはしりなのかも。

左幸子のなまりも違和感なし。
経営者のオヤジと倡妓との、嘘から出た誠的な信頼関係というか、擬似家族的紐帯というか、おそらく現実にそうだったんだろう。追い詰められた者どうしの支えあいなのか。

「髭面の大男」ということでそうとうな個性だった時代。それで10年前の犯人が特定されてしまうくらい。
三国連太郎181センチ。六尺、がもつフリーク性。人間の首の骨を折っちゃうくらいの怪物。「二十日鼠と人間」のレニー。

「天国と地獄」に続き藤田進がまた警察のエラい人の役で出演。わざわざ東宝から客演までして。

タンポポ

とにかくエロい。性と死、そしてそれらと切り離せぬものとしての食。

ちりばめられた挿話が、私には冗長にかんじられる。食をめぐるもろもろにたいするあからさまな諧謔や皮肉が、気になってしまう。

 
役者がいい。
安岡力也、桜金造、こんないい演技をするのか、と瞠目。
加藤嘉、大友柳太朗、中村信郎、ベテランの晩年の光輝をとらえて 巧み。
 
いやそれよりも何よりも、洞口依子のエロいったら!